2006年04月02日

人間とコンピューター

20060402_hal.jpg僕が小さな頃のイメージでは、外国といえばアメリカ、大金といえば100万円、そして未来といえば21世紀だった。今の子供達は未来と聞いて、いったいいつをイメージするのだろう?22世紀だろうか、それとも31世紀だろうか。22世紀は確かに妥当だろう。僕らが体験できるかもしれない将来であり、多少の想像がつく。希望も持てる。しかし、21世紀から22世紀、2000年代から2100年代というのが、少しインパクトに欠けるように感じる。だからといって、31世紀ではあまりにも遠過ぎる。平安時代の人達がWeb2.0を想像することができるだろうか。それほどの時が隔たれている。

21世紀という響きには、なんとも言えない輝きがあった。鉄腕アトムや2001年宇宙の旅など(ドラえもんは22世紀ですね)、みんながよってたかって21世紀を輝かせていた。人類が滅亡するというノストラダムスの大予言が直前に控えていたことも、このイメージに拍車を掛けていたのだろう。僕が初めて未来を意識したのはいったいいつだろう?多分、「小学○年生」シリーズ本の特集で見た時か、ドラえもんを見た時だ。それは、人工知能のコンピュータと生活をし、テレビ電話で会話をする世界だった。この未来は、半分が外れ、半分が当たった。

当たった方の未来は、今にしてみればなんてことはない。インターネットで世界中が繋がっているのだ。カメラとマイクさえ揃えれば、テレビ電話のひとつやふたつできて当たり前なのだ。驚くことではない。今にして思えば。

外れた方の未来がやってくるのも、そう遠くはなさそうだ。以前のエントリで紹介した20Qや歩行型ロボットや顔を見分けることができるサービスriyaなどが既に登場している。我々の生活に溶け込んでくるのにも、そう長くはかからないだろう。あっという間に携帯電話が普及し、どこでも会話ができるような生活がやって来たように。

しかし、これからやってくる未来は、どうやら僕が小さい頃に想像していたものとは少し違うようなのである。人口知能をもったコンピュータと言えば、ドラえもんやHAL9000のように、人間を超えた能力を持つ完全無欠の存在であった。コンピュータが人間の代わりに何でもしてくれて、まるで生きている必要がない程に楽することができると思っていたのだ。しかし、コンピュータは人間によって作り出されたものであり、人間の能力を超えたことをすることはできないのだ。人間ができることを、ものすごいスピードですることができるだけなのである。まるで、ドラゴンボールの神様と神龍の関係のようだ。神龍はどんな願いでも一つだけ叶えてくれるが、神様ができないこと、例えば人を生き返らせること、をすることはできない。
「グーグル、インテル、MSが注目するベイズ理論」より
ベイズ理論は、おおまかに言うと「未来を推測するには過去を振り返らなければならない」と要約することができる。つまり、ベイズは未来の出来事の確率はその事象の過去の発生頻度を求めることで計算できると説いたのだ。例えば、宙に投げられたコインが表向きに着地する確率が0.5であることは実験データから分かるといった具合だ。

コンピュータといえども簡単に未来を予測することが出来るわけではない。膨大な事実を溜め込んでそこから確率的に決定するのである。やってることは人間と同じだ。例えば、メーラがスパムメールかどうかを判定するには、蓄積されたデータを基に、ヘッダ情報や単語の組み合わせなどを比較し判定するという処理を行う。

また、Web2.0の名付け親であるTim O'Reillyが、「Bionic Software」というこれからのアプリケーションについて、次のように説明している。
ユーザが深いところでアプリケーションの一部なのである。

例えば、amazonのMechanical Turkでは、コンピュータよりも人間がやった方が早い仕事は、人間に任せるというサービスを提供している。また、ソーシャルブックマークは、ユーザひとりひとりがブックマーキングをすることにより、記事やサイトに重みが付き、多くの人に読まれている記事やサイトを紹介するというサービスを提供するアプリケーションとなる。たくさんの人間が少しずつ力を貸した結果、一つの大きなアプリケーションができあがるのである。まるで元気玉だ。

どうやらコンピューターが人間の延長線上に存在し、人間とともに目標を達成するというのが、近い未来の姿のようだ。残念ながら人間を助けるために22世紀からやって来たりはしないらしい。

未来とは常に予測不可能なものであるが、31世紀はともかく、少なくとも22世紀の人間はまだまだ楽することはできず、懸命に生きているのであろうことは多分間違いないだろう。
posted by takada at 02:38 | Comment(1) | TrackBack(0) | インターネット

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